こんにちは!
新しくスタートする企業研修の打ち合わせに行ってきました。
従業員数4万名以上!
全国で知らない人はいないほど大きな会社さんへの研修が始まります。
そこで担当の方からこんな相談が…
「何回言っても動作(作業の手順)を覚えられない作業員が多い。
だから工場のラインが止まってしまったり、とても非効率的です。
結局、覚えられなくて別の部署に回されたり、退職してしまう…ということが起こっています。
これはどこに問題があるのでしょうか??」
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どうやらその動作(作業の手順)は、それほど難しいわけではないそうですが、
どの指を使うか?どのようにやるか?など、かなり細かく決まっているようです。
少し難易度の高い折り紙を折る…レベルだというので、何回説明してもできない…というのは、どこかに問題があるのではないか?ということで相談があったのです。
これは仕事ではよくあることですし、勉強や、スポーツの世界でも共通する部分があります。
「何回言ってもできない人」これは何が問題なのでしょうか??
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作業や動作というのは「運動」です。
ですから基本的には「スポーツ」の上達と、作業や動作を覚えるのは同じメカニズムです。
そこで「運動(作業・動作)」というのは「小脳」が司っているということを知っておかなければなりません。
他にも「九九(くく)」のような計算も、「小脳」がやっています。
「小脳」の学習と、何かを記憶するような「大脳」の学習は、少々アプローチが違ってきます。
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「小脳」の学習の基本(ベース)は、①「見よう見まね」です。
ですから、模範(見本)となる動きを「見て覚える」ことです。
そして次に②「やってみる」。
しかしすぐにはうまくいきませんから、それを③「修正する」ことで、模範(見本)に近づく動きができるようになってきます。
この①見よう見まね、②やってみる、③修正するという過程を踏めば、誰でもいち早く「運動」を上達させることができます。
言い換えれば、誰でも問題なく、最少回で作業や動作をマスターすることができます。
では「何回言ってもできない人」は、何が問題か??
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「指導する立場の人の指導に問題がある」
これが一番大きいですね。
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まず「何回言ってもできない人がいる」という段階で、①「見よう見まね」をさせていません。
「何回言っても…」ですから、「言っている」だけなのです。
そうすると、それを言われた人の中で「完成のイメージ」が湧く人はすぐに理解することができますが、「完成のイメージ」が湧かない人は、何回言われてもできないのです!
ですからもし「言って理解させる」のであれば、できる限りリアルに!その人の「完成イメージ」が湧くように説明しなければなりません。
兎にも角にも、「見本を見せる」のが一番手っ取り早いですが…。
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そして挙げ句の果てに「何回言ってもできない人」にはしびれを切らせて…
「何回言ったらわかるんだ!」
「早く覚えろよ!」
などと、感情的に叱ってしまうのです。
そうすると、本来「小脳」で覚えるはずの運動(作業・動作)が、「大脳」からの誤信号によってストップしてしまうのです。
「大脳」からの誤信号とは、プレッシャーや焦り、不安感や苛立ちなどです。
その誤信号が「小脳」の記憶を鈍らせるため、同じ失敗を繰り返したり、なかなかその運動(作業・動作)を覚えられなくするのです。
完全に、悪循環に陥ります。
これはスポーツ指導においても全く同じことが言えます。
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早く運動(作業・動作)を覚えてもらうには…
① 見よう見まね
② やってみる
③ 修正する
ことです。
くれぐれも、「大脳」から誤信号がやってこないように指導しなければなりません。
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相談された企業の担当の方へ、上記のような説明をしていると…
「なるほど!実は現状…
何回言っても出来ない人は、叱られて結局退職し、
また入ってきた人も同じような状況になって、また退職する。
そういう悪循環が続いているのですが…
それは担当者の「指導」の問題だったのですね!」
人は人で育ちます。
明るく元気に楽しく笑顔で♫
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