「集中力」とは?
まず「集中」とは…「心」と「現実」が一致している状態のことをいいます。
ですから「集中力」とは、「心」と「現実」とを一致させる「力」ということですね。
よく、「集中できない…」と言う人がいますが、正確に言うと、基本的には誰でも「何か」に「集中」しています。
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例えば授業中、はじめは先生の話を聞いていたが、面白くなくて退屈していると、隣のAさんが寝そうになっていた。時間が気になり時計を見ると、残り10分か…、その後、授業後のお昼ご飯のことを考えていた…とします。
この場合、まずは
① 「先生の話」という「現実」に「集中」し
② 「面白くないなぁ」という「心の声(独り言)」という名の「現実」に「集中」し
③ 「退屈」という「感情」という名の「現実」に「集中」し
④ 「時計」という「現実」に「集中」し
⑤「お昼ご飯」という「イメージ」という名の「現実」に「集中」
しているのです。
「現実」とは、周りの何かですから、無数に存在しています。
その「現実」に「心」が一致することを「集中」と言いますから、人は基本的には何かしらに「集中」しています。
ですから「集中できない…」というのは、ちょっと意味が違うんですね。
ただ、「今すべき現実」に「集中」できない…のです。
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この場合は授業中ですから、「先生の話」という「今すべき現実」に「集中」していれば成績は上がります。
車の運転中であれば「すべき現実」は「運転」です。
野球のバッターであれば「すべき現実」は「ボール」です。
何かの作業中であれば「すべき現実」は「作業」です。
会話中であれば「すべき現実」は「相手の声」です。
この「すべき現実」に「心」が一致している時のことを、一般的には「集中」と呼んでいて、この「すべき現実」と「心」を一致させる力のことを「集中力」というわけです。
そしてその「すべき現実」とは別の「現実」に向いてしまう「心」のことを、「雑念」と呼んだり、宗教界では「煩悩」と呼んだりしています。
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例えば「パソコン」を操作しているとき、「すべき現実」とは「パソコン」です。
このとき、「心」が「別の現実(お腹すいたなぁ…面倒くさいなぁ…など)」という「雑念」に支配されると、「すべき現実」と「心」が一致していませんから「ミス」が起きやすくなります。
スポーツで考えてみましょう。
野球でいうと、バッターは「ボール」を打つわけですから、この場合の「すべき現実」とは「ボール」です。
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しかし、監督の顔色を気にしていたり、打てるかなぁ…と不安になっているとき、それらは「雑念」であり、「すべき現実」と「心」は一致していませんので、打てる確率が下がります。
ゴルフでも、「このホール狭いなぁ」「これは絶対に失敗してはいけないぞ!」などと「すべき現実」とは関係のない「雑念」に支配されていると、なかなかうまくいかないのです。
仮に、「集中だ!」「集中しよう!」と念じてプレーしているとしましょう。しかし「集中だ!」ということ自体は「言語」ですから、これもまた「すべき現実」とは別の「雑念」に支配されている…ということになります。
スポーツでよく、「ここぞ!というときに実力が発揮できない…」という相談を受けるのですが、その多くが、「すべき現実」とは関係のない「ここで自分が決めなければ…」「絶対決めてやる!」「ここはチャンスだ!」などという、「雑念」が邪魔をして、実力を発揮しきれなくしているのです。
これらはすべて、「今するべき現実」に「心」が向いていないから起こってしまうことなのです。
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このように、「心」と「現実」とが一致していないとき(「集中」できていないとき)、人はミスや事故を起こす確率がグンと上がります。
それだけでなく、持っている能力を発揮することもできなくなります。
運転中に携帯電話でおしゃべりをしている場合、運転という「すべき現実」に対して「心」は「会話」へ向かっていますから、事故を起こす危険性が高まるのも同じことです。
スマホをいじりながらの運転も、当たり前ですが同じです。
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建設業の方からよく聞く話しが
「難しい作業のときはほとんどミスが起きないのに、いつもやっている簡単な作業のときほどミスが出るんです…」
これは難しい作業ほど、作業という「現実」にしっかり「心」が向きますが、いつもやっている簡単な作業ほど「心」に余裕ができてしまうので、別の方向を向きやすくなる(他のことを考えてしまう・雑念が湧く)ことが原因です。
誰しもが「これは難しい」「ここは危険だ!」と感じるところでは、ほとんど「ミス(事故)」は起きないのです。
では、「すべき現実」に「集中」するためにはどうすれば良いのでしょうか?
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