スポーツ選手

それでも「フォーム」から指導しますか??

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こんにちは!
今日は兵庫県たつの市へ。保育園の先生方への研修へ行ってきました。

とてもとても熱心で、素晴らしい志を持った先生方!
ついつい研修にも気合が入ってしまいました。

また会いたいなぁ…そんな温かい先生方との出会いに感謝!!

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さて昨日、中学校のある先生からのご質問。
「先生は以前からフォームは指導しない!と断言されていますが、その理由を詳しく教えてください」

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私はこれまでニューヨーク、ロンドン、オックスフォードと海外へ足を運んだり、外国人の方に話しを聞いていると、日本のスポーツに関する育成方法が異質であることがよくわかってきました。

私はここに、日本人選手が年齢を重ねるにつれて、海外の選手に差を開けられていく原因の一つになっていると、以前から警鐘を鳴らしています。

それは、日本人はその競技を始める初心者に対して、ほとんどが「フォーム」を指導されることから始まるということです。

例えば、バレーボールで言えばアタックの時の手の振り方、野球で言えばピッチングの時の肩の動かし方や肘の角度、ゴルフで言っても同じです。

このように初心者に「フォーム」から指導すると、後々のその選手にとっての大きな壁(ブレーキ)になることを、多くの指導者の方々は知らないのです。

それにはいくつか理由があって…

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① 内向的筋肉活動をするように育ってしまう

本来動物は、外向的に筋肉活動を行うようにできています。
例えば、自分の走り方やフォームを気にして走っているライオンがいますか?笑

ですから、そもそも人間も「フォーム」を気にしてしまう段階で、自然な動きができなくなり、運動神経が鈍くなってしまうということです。

(正確に言うと、フォームを気にすることで随意神経が働き、本来運動をするための拮抗筋に余分な力が働いてしまうので、スムーズかつ正確な動きができなくなるのです)

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例えば…
姿勢を正して椅子に座ります。
体は正面を向けたまま、首に集中して、首が回るところまで後ろに回します。

どこまで首が回ったか…を覚えておきます。

次に、また体を正面に向けたまま、後ろに何かあるかな?と思って後ろを振り返ってください。

そうすると、先ほどよりも首が回りやすくなったと思います。

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このように、動物は何かを探しに行く(外向的)ように出来ており、逆に筋肉に集中すると(フォームや動かし方)うまく身体が動かないということなのです。

ですから「フォーム」から指導してしまうと、筋肉や動き方に集中するように選手は育ちますから、ある一定レベルまでしかその選手は成長しない!ということを押さえていただきたいと思います。

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② 型にハマったことしかできなくなる

よく「自由な発想(オリジナリティ)は、基礎がきっちりできた上で習得していくものだ!」と言われる指導者の方がおられますが、そんな考えをしているのも日本だけです。

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ただし、実は私もその通りだと思ってます。

が!

基礎というのは「人としての生き方」を言うのであり、「フォーム」に関する基礎は必要ありません。

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もう少しいうと、「フォーム」という基礎を習得させると、まんべんなく選手は上達していきますから、ある程度選手の成長が予測できる!という利点があります。

要するに、標準レベルまでは成長してくるのです。

ですから「フォーム」から指導するのは、日本特有の標準化教育の賜物であると言えるのですが、逆に言うと、突出した選手(自由なオリジナリティを出す選手)は生まれない教育(君主制の名残)とも言えます。

その上、選手がある程度のレベルまでくると、もっと自由にやりなさい!もっとオリジナリティを出して!意欲的にもっとガッツを出して!などと選手に注文しているのです。

そうさせたのは、紛れもなく指導者なのです。

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要は、順番が逆なのです。
「フォーム」を指導するのは、選手が練習する過程で、より上級レベルに行く際に指導するべきものです。

客観的に見れば、小学生に数学の微分積分を教えているようなものです。

指導にはステップがありますから、その順番を間違えると、選手は成長しなくなるのです。
そのステップさえしっかり踏ませれば、誰でもトップレベルまで行けるということです。

良くも悪くも、選手の能力開発は、指導者次第です。

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③ イップスになる危険性が増す

イップスのおよその原因は、内向的運動によるものです。
何も考えずにやっていれば上手くいっていたのに、なぜか考えてしまうと上手くいかない…。

前述したように、動物は外向的な筋肉活動が自然体です。

それを、初心者の頃から内向的(フォーム)に意識をするように指導されて育った選手は、仮に今まで上手くいっていたとしても、その条件反射記憶は脳に残っていますから、あるタイミングでその記憶がよみがえり、イップスになってしまう…ということが多々あります。

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以上3点ほど、なぜ「フォーム」から指導してはいけないのか?についてまとめましたが…

最後に、それでも「フォーム」から指導するべきだ!と思われている方へ質問です。

① 指導した選手は、次の進路でも「全員が」その競技を続けていますか?
② 指導した選手が、10年後も20年後も、成長をし続けていますか?

もしそうでないのであれば、その指導は本当に正しいと言えるのでしょうか。

好きで始めたスポーツを嫌いにならず、常に成長していけるような選手がもっと増えれば良いな、と願っております。

明るく元気に楽しく笑顔で♬

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